はじめに
行政書士試験では、地方自治法の分野から住民監査請求や住民訴訟が出題されることがあります。
ただし、「名前が似ていて違いが分かりにくい」、「流れが整理できない」、「試験でどこが問われるのか分からない」と感じる人も多いテーマです。
この記事では住民監査請求と住民訴訟をテーマに記事にしました。下記について解説します。
- 住民監査請求とは何か
- 住民訴訟との違い
- 制度の流れ
- 試験で狙われやすいポイント
■住民監査請求と住民訴訟の違いを簡潔に
▶ 住民監査請求 → 独立した内部機関が行政内部チェック
▶ 住民訴訟 → 結果に納得いかなければ提訴して裁判

この流れを覚えればOKです。
▶住民監査請求・住民訴訟は行政救済に分類されます。行政救済総論を知りたい方はこちらの記事もご覧ください。 → 【行政救済法とは?全体像と流れを初心者向けにわかりやすく解説】
住民監査請求とは?
■ 制度の意味
住民監査請求とは、自治体のお金の使い方などに違法・不当があるとき、監査委員にチェックしてもらう制度です。
■ 例
- 違法な公金支出
- 不要な契約
- 財務管理のミス
などが挙げられます。
■ ポイント
✔ 裁判ではない
✔ まず行政内部でチェック
✔ 1人でも請求できる ✔ 地方自治法242条
住民監査請求の概要
直接請求とは異なり、普通地方公共団体の住人ならば、選挙権がなくても1人で請求することができます。
| 住民監査請求請求できる人 | 普通地方公共団体の住人(選挙権不要) |
| 請求先 | 監査委員 |
| 請求期間 | 財務会計上の行為があった日、終わった日から 1年以内 ※怠る事実には適用なし |
住民監査請求をした後はどうなる?
住民監査請求がされた場合、監査委員は監査を行います。監査に理由がある場合とない場合の対応は以下の通りです。
●理由なし → 書面で理由を付けて請求人に通知・公表。
●理由あり → 議会・長・その他執行機関に、期間を示し是正を勧告。勧告内容を請求人に通知して公表。
※監査委員の監査・勧告は、住民請求があった日から60日以内に行わなければならない。
※ただし例外的に、監査請求の扱いが争われた判例もあります。
▶ 最判平成10年12月18日では、再度の監査請求が問題になりました。
住民訴訟とは?
■ 制度の意味
住民訴訟とは、住民監査請求でも是正されない場合に、裁判で争う制度です。
■ 例
- 損害賠償請求
- 支出差止請求
- 違法確認請求
■ ポイント
✔ 裁判所が判断
✔ 監査請求が前提(原則)
✔ 地方自治法242条の2
▶住民訴訟では、公費支出の適法性が争われることがあります。代表例が記帳所事件です。 → 記帳所事件の記事はこちら
住民訴訟の概要
住民訴訟を提起するには、住民監査請求を行った人しかできません。(住民監査請求前置主義)
住民訴訟を提起できる場合と出訴期間は以下の通りです。
| 住民訴訟を提起できる場合 | 出訴期間 |
| 監査委員の監査の結果・勧告に不服がある場合 | 結果・勧告の通知があった日から30日以内 |
| 勧告の措置に不服がある場合 | 措置についての通知があった日から30日以内 |
| 住民監査請求があった日から60日以内に監査・審査を行わない場合 | 住民監査請求があった日から60日を経過した日から30日以内 |
| 勧告を受けても必要ば措置を行わない場合 | 勧告に示された期間を経過した日から30日以内 |
住民監査請求と住民訴訟の違い■ 制度の流れ(超重要)
| 項目 | 住民監査請求 | 住民訴訟 |
| 性質 | 行政内部チェック | 裁判 |
| 判断主体 | 監査委員 | 裁判所 |
| 目的 | 是正要求 | 法的責任追及 |
| 関係 | 前段階 | 次の段階 (住民監査請求前置主義) |
制度の流れ
① 違法・不当を発見
↓
② 住民監査請求
↓
③ 不服
↓
④ 住民訴訟
※流れ問題は試験で出題されやすいです。
試験に出る覚え方BOX
■ ゴロで覚える
●「まず監査、ダメなら訴訟」
■ イメージで覚える

試験で狙われやすいポイント
✔ 監査請求は前提(原則) → いきなり訴訟は基本NG
✔ 対象は公金・財産管理など
✔ 住民ならできる
よくある間違い
●監査請求=裁判
→ 違う
●すぐ住民訴訟できる
→ 原則できない(住民監査請求前置主義)
まとめ
●住民監査請求
→ 行政内部チェック
●住民訴訟
→ 裁判
●結論
監査 → 訴訟 の流れを覚える。
住民監査請求と住民訴訟についてわかりやすく解説しました。 最後までお読みいただきありがとうございました。


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