行政法とは?5分で全体像がわかる|範囲・流れ・勉強法を初心者向けに解説【行政書士試験】

行政法のフローチャート 行政書士試験・法律解説

はじめに

「行政法って何を勉強すればいいの?」

「範囲が広すぎてよくわからない…」

このように感じていませんか?

行政書士試験では、行政法が合否を左右する最重要科目です。

しかし、いきなり個別の法律を覚えようとすると、ほぼ確実に迷子になります。

結論からいうと、行政法は“流れ”で理解すれば一気にわかります。

この記事では、

  • 行政法とは何か(そもそもの意味)
  • 行政法の全体像(5つの分野)
  • 各法律の役割とつながり
  • 初心者向けの勉強法

を、初学者でも理解できるようにやさしく解説します。

この記事を読めば行政法のの全体像がわかります。

行政法とは?【結論】

結論から言うと、行政法という法律は存在しません。

なぜなら、行政活動の範囲が広すぎるため、それぞれの目的に応じた、個別の法律が存在しています。

行政法とは、

国や地方公共団体と個人との関係をルール化した法律の「まとめ」

のことです。

たとえば、

  • 税金を課す
  • 営業許可を出す
  • 違反者に処分をする

といった行政の活動すべてに、それぞれルールがあります。

これらをまとめて「行政法」と呼びます。

なお、行政法は「公法」に分類されます。

行政法の前に「法律の基本」を知りたい方は
公法と私法の違いとは?具体例でわかりやすく解説

行政法が重要な理由(試験対策)

行政書士試験では、行政法の比重が非常に大きいです。

  • 出題数が多い
  • 配点が高い
  • 判例問題が多い

つまり、行政法を制すれば合格に近づきます。

ただし注意点があります。

行政法は「丸暗記では通用しない科目」です。

なぜなら、

  • 法律が多い
  • 条文が抽象的
  • 判例で判断される

からです。

そのため、まずは全体像を理解することが重要になります。

行政法の全体像

行政法の全体像
行政法の全体像

行政法は、主に次の5つの分野で構成されています。

行政手続法(事前ルール)
行政不服審査法(不服申立て)
行政事件訴訟法(裁判)
国家賠償法(損害賠償)                                            ⑤地方自治法(自治体のルール)

ただし、このまま覚えるとバラバラになります。

そこで重要なのが、「流れ」で理解することです。

行政法の全体像をさらに詳しく知りたい方は
行政救済法とは?全体像と流れを初心者向けにわかりやすく解説

行政法は「こう動く」

行政の行為

不満がある → 不服申立て(行政不服審査法)

それでもダメ → 裁判(行政事件訴訟法)

損害が出た → 賠償(国家賠償法)

この流れを理解すると、各法律の役割が一気につながります。

※この分野は「行政救済法」と呼ばれます。

行政救済のフロー
行政救済のフロー

行政法の5つの分野と役割

行政法の役割
行政法の役割

行政法を理解するには、各法律の役割を理解することが重要です。

行政法は似ている条文も多く、個々で理解しようとすると混乱してしまう恐れがあります。

しかし、「この法律は、何のために存在する法律か?」と役割を軸にすると、理解が進みやすくなります。

行政手続法(事前ルール)

行政が処分などを行う前に守るべきルールです。

対象:

  • 処分
  • 行政指導
  • 届出
  • 命令

などです。

目的:

  • 行政運営における公正の確保
  • 透明性の向上
  • 国民の権利利益の保護

です。

行政手続法1条(目的条文)は、行政書士試験頻出です。

行政不服審査法(不服申立て)

行政の処分に不満がある場合、裁判を使わずに争う方法です。

種類:

  • 審査請求
  • 再調査の請求
  • 再審査請求

目的:

  • 簡易迅速
  • 公正な手続き
  • 権利利益も救済

行政不服審査法の目的条文も行政書士試験で頻出テーマとなっています。

行政事件訴訟法

行政を相手に裁判をするルールです。

行政事件訴訟法には、大きく分けて4つあります。

種類:

  • 抗告訴訟
  • 当事者訴訟
  • 民衆訴訟
  • 機関訴訟

特に、抗告訴訟の取消訴訟は最も重要な論点です。

抗告訴訟について詳しくはこちら
抗告訴訟とは?種類・流れをわかりやすく解説

処分性についてはこちら
処分性とは?わかりやすく解説|判断基準・具体例・判例

処分性の全体整理はこちら
処分性の全体像まとめ|判断基準と重要判例を一気に整理

取消訴訟についてはこちら
取消訴訟とは?要件・出訴期間・原告適格をわかりやすく解説 
                             

国家賠償法(損害賠償)

違法な行政行為によって損害が生じた場合の賠償ルールです。

公務員の違法行為や公共施設の瑕疵で損害を受けたときに、金銭で解決することを定めた法律です。

例:

  • 公務員の違法行為
  • 道路の欠陥(営造物責任)

国家賠償法の基本はこちら
「国家賠償法とは?国家賠償法1条を噛み砕いて解説」

国家賠償法1条との違いはこちら
「国家賠償法2条とは?1条との違い・営造物責任をわかりやすく解説」

国家賠償法3条~6条についてはこちら
国家賠償法3条~6条とは?誰が責任を負うのかをわかりやすく解説

地方自治法(自治体のルール)

都道府県や市区町村(地方公共団体)を運営するためのルールです。

行政書士試験では、

  • 自治体の組織
  • 自治体の事務
  • 国と自治体の関係

の3点が重要です。

判例学習が重要な理由

行政法は、条文だけでなく判例理解が非常に重要です。

なぜなら、
実際のルールは判例で決まるからです。

重要論点:

  • 裁量権の逸脱・濫用
  • 信義則
  • 比例原則

これらは行政書士試験の頻出テーマです。

裁量権については                                   →「裁量権の逸脱・濫用とは?違い・判断基準・判例を解説」も参考にしてください。

信義則については                                                  →「信義則とは?信義誠実の原則をわかりやすく解説」も参考にしてください。

比例原則については                                            →「比例原則とは?行政法の一般原則をわかりやすく解説」も参考にしてください。

平等原則については
平等原則とは?行政法の一般原則をわかりやすく解説|憲法14条との関係

行政法の勉強法(初心者向け)

行政法は、次の順番で学ぶのがおすすめです。

① 全体像を理解(この記事)
② 各法律を学ぶ
③ 論点を理解
④ 判例で深める

この順番で学ぶと、知識がつながります。

なお、

「独学で進めるのが不安…」
「どの教材を使えばいいかわからない」

という方は、通信講座を活用するのも一つの方法です。

実際にユーキャンを使ってみた体験をまとめていますので、気になる方はこちらも参考にしてください。

独学で挫折→ユーキャンに切り替えた体験談|行政書士講座のリアルレビュー

まとめ

行政法とは、
国や地方公共団体と個人との関係を規律する法律の総称です。

そして最も重要なのは、

  • 全体像を理解すること
  • 流れで覚えること
  • 判例とセットで学ぶ

ことです。

まずはこの記事で土台を作り、各分野の理解を深めることが重要です。

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