行政事件訴訟法とは?全体像をわかりやすく解説【行政書士試験向け】

行政法解説

はじめに

「行政事件訴訟法って何を勉強する法律なの?」

「取消訴訟や原告適格は聞いたことがあるけど、全体像がわからない…」

行政書士試験の行政法を学習していると、

  • 処分性
  • 原告適格
  • 訴えの利益
  • 取消訴訟

などの用語が次々に出てきます。

しかし、
「それぞれが行政事件訴訟法のどこに位置付けられるのか」
がわからず混乱する人も少なくありません。

そこでこの記事では、
行政事件訴訟法の全体像を整理しながら、

  • 抗告訴訟
  • 当事者訴訟
  • 民衆訴訟
  • 機関訴訟

の違いを解説します。

また、行政書士試験で重要な

  • 処分性
  • 原告適格
  • 訴えの利益

との関係も紹介します。

この記事を読めば、
行政事件訴訟法の全体像がつかめるようになります。

行政事件訴訟法とは?

行政事件訴訟法とは、
行政事件訴訟法とは、行政に関する争いを裁判所で解決するためのルールを定めた法律です。

例えば、

  • 営業許可を取り消された
  • 運転免許を取り消された
  • 情報公開請求を拒否された

といった場合、行政事件訴訟法に基づいて裁判を起こします。

行政事件訴訟法の全体像

行政事件訴訟法には、大きく分けて4種類の訴訟があります。

行政事件訴訟法の全体像
行政事件訴訟法の全体像

行政書士試験では、特に抗告訴訟が頻出です。

抗告訴訟とは?

抗告訴訟とは、
行政庁の処分や裁決に不服がある場合に争う訴訟です。

行政書士試験で学習する行政事件訴訟法の中心になります。

▶抗告訴訟の詳しい解説はこちら
→抗告訴訟とは?種類・流れをわかりやすく解説

取消訴訟

抗告訴訟の中で、最も重要なのが取消訴訟です。

取消訴訟とは、
行政庁の処分を取り消してもらう訴訟です。

例えば、

  • 運転免許取消処分
  • 営業停止処分
  • 非公開決定

などが対象になります。

▶取消訴訟についてはこちら
→取消訴訟とは?要件・出訴期間・原告適格をわかりやすく解説

取消訴訟で重要な3つの論点

取消訴訟では、
行政書士試験で頻出の論点が3つあります。

取消訴訟の重要論点
取消訴訟の重要論点

① 処分性

まず、
争っている行為が「処分」に当たる必要があります。

行政庁の行為のうち、取消訴訟で争うことができるものを「処分」といいます。

その「処分」に当たるかを判断するのが処分性です。

▶処分性についてはこちら
→処分性とは?判断基準と重要判例をわかりやすく解説

▶処分性の全体像はこちら
→処分性の全体像まとめ|判断基準と重要判例を一気に整理

② 原告適格

次に、
裁判を起こす資格があるかが問題になります。

処分によって「法律上の利益を有する者」に、裁判を起こす資格があります。

これを原告適格といいます。

▶原告適格についてはこちら
→原告適格とは?判断基準と重要判例をわかりやすく解説

③ 訴えの利益

さらに、
「裁判を続ける意味が残っているか」も問題になります。

つまり、
「今、裁判をしてまで解決する具体的な必要性や価値があるか」という判断基準のことです。

これを訴えの利益といいます。

▶訴えの利益についてはこちら
→訴えの利益とは?判断基準と重要判例をわかりやすく解説

無効等確認訴訟とは?

行政処分が最初から無効であることを確認してもらう訴訟です。

取消訴訟との違いは、
「取り消す」のではなく、「最初から効力がないことを確認する」点にあります。

他にも、「出訴期間」の制限がないのが大きな特徴です。

▶無効等確認訴訟についてはこちら
→無効等確認訴訟とは?取消訴訟との違い・要件をわかりやすく解説

不作為の違法確認訴訟とは?

行政庁が申請に対して何も判断しない場合に、

その不作為が違法であることを確認する訴訟です。

例えば、
許可申請をしたのに行政庁が何年も放置している場合などです。

▶不作為の違法確認訴訟についてはこちら
→不作為の違法確認訴訟とは?要件・義務付け訴訟との違いをわかりやすく解説

義務付け訴訟とは?

行政庁に対して、
一定の処分をするよう求める訴訟です。

例えば、
許可を出すべき場合に、許可処分を求めることができます。

▶義務付け訴訟の詳しい解説はこちら
→義務付け訴訟とは?要件・種類・取消訴訟との違いをわかりやすく解説

差止訴訟とは?

行政庁が違法な処分をしようとしている場合に、

その処分を事前に止めてもらう訴訟です。

▶差止訴訟の詳しい解説はこちら
→差止訴訟とは?要件・義務付け訴訟との違いをわかりやすく解説

当事者訴訟とは?

当事者訴訟とは、
公法上の法律関係について争う訴訟です。

例えば、

  • 土地収用裁決の補償額
  • 公務員の給与請求

などが典型例です。

▶当事者訴訟についてはこちら
→当事者訴訟とは?種類・抗告訴訟との違いをわかりやすく解説

民衆訴訟とは?

法律で特別に認められた場合に、公益のために提起する訴訟です。

代表例として、
住民訴訟があります。

▶民衆訴訟についてはこちら
→民衆訴訟とは?意味・具体例・当事者訴訟との違いをわかりやすく解説

▶住民訴訟についてはこちら
→住民監査請求と住民訴訟の違いとは?流れ・前置主義をわかりやすく解説

機関訴訟とは?

国や地方公共団体の機関同士が、

権限争いなどについて提起する訴訟です。

行政書士試験では深く問われることは多くありません。

▶機関訴訟についてはこちら
→機関訴訟とは?意味・具体例・民衆訴訟との違いをわかりやすく解説

行政書士試験の重要ポイント

重要ポイント①

■ 行政事件訴訟法の中心は抗告訴訟

試験では取消訴訟が最重要。

重要ポイント②

■ 処分性

まず処分に当たるかを考える。

重要ポイント③

■ 原告適格

誰が裁判を起こせるかが重要。

重要ポイント④

■ 訴えの利益

裁判を続ける意味があるかが重要。

行政事件訴訟法を学習して難しかった点

私が最初に混乱したのは、

取消訴訟だけでも、

  • 処分性
  • 原告適格
  • 訴えの利益

という複数の要件があることでした。

しかし、
行政事件訴訟法の全体像を見てから学習すると、
それぞれが取消訴訟の中の論点であることがわかります。

その結果、
個別判例も理解しやすくなりました。

学習のコツ

行政事件訴訟法は、いきなり判例から入るより、
まず全体像を理解することが大切です。

おすすめの順番は、

行政事件訴訟法学習ロードマップ
行政事件訴訟法学習ロードマップ

です。

まとめ

行政事件訴訟法は、

行政庁の処分を裁判で争うためのルールを定めた法律です。

  • 行政事件訴訟法の中心は抗告訴訟
  • 取消訴訟が最重要
  • 処分性・原告適格・訴えの利益が頻出
  • 全体像を理解すると判例学習が楽になる

行政書士試験では、個別判例だけでなく、

「その判例が行政事件訴訟法のどこに位置付けられるのか」を意識すると理解が深まります。

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