はじめに
「申請に対する処分って何?」
「行政手続法ではどんなルールが決められているの?」
行政書士試験の勉強をしていると、
- 申請に対する処分
- 不利益処分
- 行政指導
- 届出
など、行政手続法のさまざまな制度が出てきます。
その中でも「申請に対する処分」は、行政手続法の基本となる重要な分野です。
結論からいうと、
申請に対する処分とは、国民からの申請に対して、行政庁が許可・認可・不許可などの判断をすることです。
行政手続法では、公正で透明な行政を実現するために、審査基準や理由提示などのルールが定められています。
この記事では、
- 申請に対する処分とは何か
- 行政手続法で定められているルール
- 審査基準・標準処理期間・理由提示
- 行政書士試験の重要ポイント
を初心者向けにわかりやすく解説します。
申請に対する処分とは?【結論】
結論:
申請に対する処分とは、国民からの申請に対して、行政庁が許可・認可・免許・不許可などの判断を行うことです。
例えば、
- 飲食店営業許可
- 建築確認
- 運転免許の取得
- 開発許可
などがあります。
申請を受けた行政庁は、
- 許可する
- 許可しない
という諾否の応答をしなければいけません。
諾否の応答とは、「許可するか、不許可にするかを判断すること」です。

なぜルールが必要なのか
もし行政庁が自由に審査できると、
- 人によって判断が違う
- 理由もなく不許可になる
- 手続がいつ終わるか分からない
という問題が起こります。
そこで行政手続法では、
- 審査基準
- 標準処理期間
- 理由提示
などのルールを定めています。
これにより、行政運営の公正性と透明性を確保しています。
行政手続法の主なルール

① 審査基準
審査基準とは、
申請を許可するかどうかを判断する基準です。
行政庁は、
審査基準をできる限り具体的に定め、原則として公表しなければなりません。
これによって、誰が申請しても公平に審査できるようになります。
② 標準処理期間
標準処理期間とは、
申請を受けてから処分するまでのおおよその期間です。
例えば、
「通常30日以内」などと定められます。
ただし、
標準処理期間の設定は努力義務です。
しかし、
標準処理期間を設定すると、公表は義務になります。
「義務」なのか「努力義務」なのかは試験でも頻出ポイントです。
| 項目 | 審査基準 | 標準処理期間 |
|---|---|---|
| 設定 | 設定義務 | 設定は努力義務 |
| 公表 | 原則公表 | 定めた場合は公表義務 |
| 内容 | 判断基準 | 処理の目安 |
③申請の補正と拒否処分
審査に適合しない申請とは、
- 記載の不備
- 申請の要件に不適合
などがあった場合です。
行政庁は、これらの申請があった場合には、
相当の期間を定めて当該申請の補正または、許認可等を拒否をしなければいけません。
補正とは、申請書に不足している書類を追加したり、記載ミスを修正したりすることです。
行政庁は、すぐに不許可にするのではなく、補正の機会を与えることがあります。
④理由提示
行政庁が申請を拒否する場合には、
原則として理由を示さなければなりません。
例えば、
飲食店営業許可を不許可にする場合、「基準を満たしていません」だけでは不十分です。
どの基準を満たしていないのかまで示す必要があります。
理由が分かれば、申請者は改善や不服申立てができます。
行政処分との関係
行政処分には、申請を前提とするものと、行政庁が一方的に行う不利益処分があります。
申請に対する処分は、そのうち前者にあたります。
例えば、
営業許可を与えることも、営業許可を拒否することも、行政処分にあたります。
つまり、
行政処分の中でも、国民からの申請を前提として行われる処分が申請に対する処分です。
行政指導との違い
比較すると理解しやすくなります。
申請に対する処分
国民
↓
申請
↓
行政庁
↓
許可・不許可
↓
法的効果が発生
行政指導
行政庁
↓
お願い・助言・勧告
↓
国民
↓
任意で協力
申請に対する処分は、法的効果が生じる点が行政指導との大きな違いです。
▶行政指導についてはこちら
→行政指導とは?意味・具体例・行政手続法との関係をわかりやすく解説
行政書士試験の重要ポイント
重要ポイント①
■ 審査基準
行政庁は審査基準を定める義務があります。また、原則として公表しなければなりません。
重要ポイント②
■ 標準処理期間
標準処理期間の設定は努力義務です。
標準処理期間を定めたときは、公表しなければいけません。
「義務」か「努力義務」かという点が試験でよく問われます。
重要ポイント③
■ 理由提示
申請を拒否する場合は、原則として理由提示が必要です。
拒否処分を書面でする場合、理由の提示も原則書面でしなければいけません。
重要ポイント④
■ 行政手続法の目的
恣意的な行政を防ぎ、
行政運営における公正性・透明性を確保することが目的です。
行政書士試験で混同しやすいポイント
私は審査基準や標準処理期間が「義務」か「努力義務」かが混同しました。
学習してすぐは、頭に残っているので大丈夫ですが、時間が経って過去問を解いてみると、
「標準処理期間はどっちだっただろう?」
と悩んでしまいます。
また、「申請」と「届出」の違いも重要です。
申請は行政庁の判断(諾否の応答)が必要ですが、届出は法令上の要件を満たせば到達した時点で効力が生じます。
行政書士試験は時間との勝負になると思うので、すぐに判断できるように完全に暗記することが重要だと感じました、
行政書士試験想定問題
- Q行政庁は標準処理期間を必ず定めなければならない。
- A
誤り。
標準処理期間の設定は努力義務です。
- Q申請を拒否する場合、行政庁は原則として理由を示さなければならない。
- A
正しい。
行政手続法では理由提示が義務付けられています。
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関連法令
▶行政手続法とは?行政庁が処分するときのルールをわかりやすく解説
▶行政指導とは?意味・具体例・行政手続法との関係をわかりやすく解説
まとめ
申請に対する処分とは、
行政庁が国民からの申請に対して許可・認可・不許可などの判断を行う「諾否の応答」が必要な処分のことです。
- 行政手続法の重要分野
- 審査基準を定める必要がある
- 標準処理期間は努力義務
- 不許可の場合は理由提示が原則必要
- 行政指導や届出との違いも重要
行政書士試験では、
- 審査基準は義務
- 標準処理期間は努力義務
- 理由提示は原則必要
という3点が特によく問われます。
まずはこの基本を押さえたうえで、「理由提示」「審査基準」「標準処理期間」などの個別論点へ学習を広げると、行政手続法全体を理解しやすくなります。


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