機関訴訟とは?意味・具体例・民衆訴訟との違いをわかりやすく解説【行政書士試験向け】

行政法解説

はじめに

「機関訴訟って何を争う訴訟なの?」

「民衆訴訟との違いがよくわからない……」

行政事件訴訟法を学習していると、

  • 抗告訴訟
  • 当事者訴訟
  • 民衆訴訟
  • 機関訴訟

という4つの訴訟類型が登場します。

しかし、行政書士試験では抗告訴訟が中心に出題されるため、機関訴訟は後回しになりがちです。

その結果、
「行政事件訴訟法の分類は覚えたけれど、機関訴訟だけよくわからない」という受験生も少なくありません。

結論:
機関訴訟とは、国や地方公共団体の機関同士が、権限や地位をめぐって争う訴訟のうち、法律で特に認められたもののことです。

この記事では、

  • 機関訴訟とは何か
  • 民衆訴訟との違い
  • 具体例
  • 行政書士試験の重要ポイント

を初学者向けにわかりやすく解説します。

機関訴訟とは?(結論)

結論からいうと、
国や地方公共団体の機関同士が、権限や地位をめぐって争う訴訟です。

行政事件訴訟法6条では、

国または公共団体の機関相互間における権限の存否またはその行使に関する紛争についての訴訟

と定められています。

つまり、
一般の国民が行政を相手に争う訴訟ではなく、行政機関同士が争う訴訟です。

機関訴訟の全体像
機関訴訟の全体像

なぜ機関訴訟が必要なのか

行政組織には、

  • 都道府県
  • 市町村
  • 議会
  • 首長

など、多くの機関があります。

これらの機関の間で、

  • 誰が権限を持つのか
  • どの機関が判断するのか

が問題になることがあります。

そこで、
機関相互の権限争いを解決するために機関訴訟が設けられています。

機関訴訟の具体例

代表例として、

  • 議会と首長の対立
  • 国と地方

などがあります。

例えば、

議会が議決した事項について、首長が権限を超えていると主張する場合などです。

このような権限争いが機関訴訟の対象になります。

実際には機関訴訟の例は多くありません。

そのため行政書士試験では、具体的な事例よりも「行政機関同士の争い」であることを理解しておくことが重要です。

機関訴訟の特徴

機関訴訟の特徴
機関訴訟の特徴

特徴① 国民の権利救済が目的ではない

機関訴訟は、
国民個人の権利利益を守るための訴訟ではありません。

行政組織内部の権限関係を整理することが目的です。

特徴② 法律の定めが必要

民衆訴訟と同様に、
法律に定めがある場合に限って提起できます。

自由に提起できるわけではありません。

特徴③ 客観訴訟に分類される

機関訴訟は、
行政の適法な運営や組織秩序の維持を目的としています。

そのため、客観訴訟に分類されます。

民衆訴訟との違い

ここは試験対策として重要です。

項目機関訴訟民衆訴訟
当事者行政機関同士法律で認められた住民など
目的権限争いの解決行政の適法性確保
代表例議会と首長の争い住民訴訟
分類客観訴訟客観訴訟
民衆訴訟と機関訴訟の比較
民衆訴訟と機関訴訟の比較

民衆訴訟との共通点

両者とも、
客観訴訟に分類されます。

つまり、
個人の権利利益の救済ではなく、法秩序や行政の適法性を維持することが目的です。

行政事件訴訟法の分類

行政事件訴訟法は大きく4つに分類されます。

行政事件訴訟法の分類
行政事件訴訟法の分類

この分類は行政書士試験でも頻出です。

行政書士試験の重要ポイント

重要ポイント①

■ 機関訴訟は機関同士の争い

国民と行政の争いではありません。

重要ポイント②

■ 客観訴訟である

個人救済ではなく、法秩序維持が目的です。

重要ポイント③

■ 法律の定めが必要

自由に提起できるわけではありません。

重要ポイント④

■ 民衆訴訟との違い

両方とも客観訴訟ですが、民衆訴訟は住民などが提起し、機関訴訟は行政機関同士が争います。

民衆訴訟についてはこちら
民衆訴訟とは?意味・具体例・当事者訴訟との違いをわかりやすく解説

行政書士試験想定問題

Q
機関訴訟は、国民が行政庁の違法な処分を争う訴訟である。
A

誤り。
機関訴訟は、国や地方公共団体の機関同士が権限や地位をめぐって争う訴訟です。


Q
機関訴訟は客観訴訟に分類される。
A

正しい。
個人救済ではなく、法秩序の維持を目的とするためです。

Q
機関訴訟は法律に定めがなくても提起できる。
A

誤り。
法律で認められた場合に限り提起できます。

学習して難しかった点

私が最初に混乱したのは、

「民衆訴訟との違い」でした。

しかし、

  • 民衆訴訟 → 住民などが提起
  • 機関訴訟 → 行政機関同士が提起

と整理すると理解しやすくなりました。

どちらも客観訴訟ですが、当事者が異なります。

学習のコツ

おすすめの順番は、

① 行政事件訴訟法

② 抗告訴訟

③ 当事者訴訟

④ 民衆訴訟

⑤ 機関訴訟

です。

行政書士試験では細かい論点よりも、「客観訴訟であること」「機関同士の争いであること」を押さえれば十分です。

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まとめ

機関訴訟は、

国や地方公共団体の機関同士が権限や地位をめぐって争う訴訟です。

  • 行政機関同士の争い
  • 客観訴訟に分類される
  • 法律の定めが必要
  • 民衆訴訟との違いが重要

行政書士試験では頻出テーマではありませんが、行政事件訴訟法全体の分類を理解するうえで重要な訴訟類型です。

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