聴聞とは?行政手続法のルールをわかりやすく解説【行政書士試験】

行政法解説

はじめに

「聴聞って何?」

「弁明の機会の付与とはどう違うの?」

行政書士試験の勉強をしていると、

  • 聴聞
  • 弁明の機会の付与
  • 不利益処分
  • 行政手続法

といった用語が登場します。

特に聴聞は、不利益処分を行う前に相手方の意見を聞く重要な手続であり、行政手続法の頻出テーマの一つです。

結論からいうと、
聴聞とは、行政庁が重い不利益処分を行う前に、相手方へ意見を述べたり証拠を提出したりする機会を与える手続です。

この記事では、

  • 聴聞とは何か
  • なぜ聴聞が必要なのか
  • 手続の流れ
  • 聴聞でできること
  • 弁明の機会との違い
  • 行政書士試験の重要ポイント

を初心者向けにわかりやすく解説します。

聴聞とは?【結論】

結論:
聴聞とは、行政庁が許可の取消しや資格の取消しなど、国民に大きな不利益を与える処分を行う前に、相手方へ意見を述べたり証拠を提出したりする機会を与える手続です。

行政庁が一方的に処分を決めることを防ぎ、公正な行政運営を実現することが目的です。

聴聞の流れ
聴聞の流れ

なぜ聴聞が必要なのか

例えば、飲食店の営業許可を取り消す場合を考えてみます。

行政庁が店主の話を一切聞かずに営業許可を取り消してしまうと、店主は大きな不利益を受けます。

実は、行政庁の事実認識に誤りがあるかもしれません。

そこで行政手続法では、

  • あらかじめ処分の内容を知らせる
  • 相手方に意見を述べる機会を与える
  • 証拠を提出できるようにする

という手続を定めています。

これが聴聞です。

聴聞の流れ

聴聞は、おおむね次の流れで行われます。

① 聴聞の通知

↓

② 行政庁が主宰者を指名

↓

③ 聴聞期日に出席

↓

④ 意見を述べる

↓

⑤ 証拠を提出する

↓

⑥ 行政庁が内容を検討

↓

⑦ 不利益処分を行うか決定

試験では、この流れよりも「何のための制度か」を理解しておくことが重要です。

聴聞の主宰者とは?

聴聞を行う場合に行政庁は、聴聞を公正に進めるために主宰者を指名します。

主宰者は、当事者と不利益処分を行おうとする行政庁職員の意見などを参考にし、聴聞調書・報告書を行政庁に提出します。

なお、主宰者は行政庁の職員の中から指名されます。ただし、当事者・参加人やその一定の親族など、公正な進行を妨げるおそれがある者は主宰者になることができません。

聴聞でできること

聴聞では、相手方はさまざまな権利を行使できます。

意見を述べる

行政庁に対して、自分の考えや反論を説明できます。

証拠を提出する

処分の理由に誤りがある場合は、それを示す資料や証拠を提出できます。

代理人を選任できる

本人が出席できない場合は、代理人を立てることもできます。

記録の閲覧ができる

一定の場合には、処分の根拠となる資料などを閲覧できます。

聴聞と弁明の機会の付与の違い

行政手続法では、不利益処分の内容によって手続が異なります。

聴聞弁明の機会の付与
重い不利益処分比較的軽い不利益処分
より手厚い手続簡易な手続
口頭で意見を述べられる主に書面で意見を提出する

例えば、

  • 営業許可の取消し
  • 資格の取消し

などは、通常、聴聞が行われます。

一方で、比較的軽い処分では弁明の機会の付与が行われます。

弁明の機会の付与についてはこちら
弁明の機会の付与とは?行政手続法のルールをわかりやすく解説

行政書士試験の重要ポイント

重要ポイント①

聴聞は重い不利益処分の前に行われます。

重要ポイント②

相手方には意見陳述や証拠提出の機会が与えられます。

重要ポイント③

行政庁が一方的に処分することを防ぐ制度です。

重要ポイント④

軽い不利益処分では「弁明の機会の付与」が行われます。

重要ポイント⑤

公益上、緊急に不利益処分をする必要がある場合などは、聴聞や弁明の機会の付与を要しない場合があります。

行政書士試験で混同しやすいポイント

私は最初、
「すべての不利益処分で聴聞が行われる」と思っていました。

しかし実際には、
重い不利益処分では聴聞、比較的軽い不利益処分では弁明の機会の付与が行われます。

他にも、
「主宰者は行政庁とは関係のない第三者が務める」と思っていました。

しかし実際には、主宰者は行政庁の職員の中から指名されます。

ただし、当事者や参加人、その一定の親族など、公正な進行を妨げるおそれがある者は主宰者になることはできません。

この違いは行政書士試験でも頻繁に問われます。

行政書士試験想定問題

Q
営業許可を取り消す場合は、原則として聴聞が行われる。
A


営業許可の取消しなどの重い不利益処分では、原則として聴聞が行われます。

Q
聴聞では相手方は証拠を提出できない。
A

×
聴聞では意見陳述だけでなく、証拠の提出もできます。

Q
比較的軽い不利益処分でも、必ず聴聞が行われる。
A

×
比較的軽い不利益処分では、弁明の機会の付与が行われます。

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まとめ

聴聞とは、行政庁が重い不利益処分を行う前に、相手方へ意見や証拠を提出する機会を与える制度です。

ポイントを整理すると、

  • 重い不利益処分の前に行われる
  • 相手方は意見陳述や証拠提出ができる
  • 公正な行政運営を確保する制度
  • 軽い不利益処分では弁明の機会の付与が行われる

行政書士試験では、「聴聞」と「弁明の機会の付与」の違いが特によく問われます。

まずは「重い不利益処分なら聴聞、比較的軽い不利益処分なら弁明の機会の付与」という基本を押さえたうえで、それぞれの手続の内容も整理して覚えることが重要です。

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